生活防衛資金が不要となるとき

インデックス投資を紹介している大手サイトには、これから初心者対して、生活防衛資金を準備してからにしなさいと書かれていることが多いです。

ただ、生活防衛資金というものはあくまで初心者向けのものであって、初心者を卒業することには必要のないものだと思っています。

生活防衛資金とは

生活防衛資金とは投資を続ける上で思いがけない損失や、失業など不測の事態が起こった時に市場から退場しないように投資資金とは別にプールしておく非常用資金です。

多くのインデックス投資家が採用していて、生活防衛資金で検索すると、有名サイトがずらりと並びますが、初出はネットではなく、木村剛書の「投資戦略の発想法」だったと思います。

この本の初版本は2001年ですのでずいぶん前からある言葉です。

著書の中で木村氏は、生活防衛資金を「2年間は今の生活水準を落とさずに暮らしていける資金」と定義しており、それを準備する目的を「会社がつぶれても枕を高くして寝られる安心感を確保するため」としています。

 

生活防衛資金が不要の人

生活防衛資金が木村氏の言う「会社がつぶれても枕を高くして寝られる安心感を確保するための資金」であるならば、まず以下の人たち生活防衛資金必要無いとわかります。

  • 公務員
  • 共働き世帯
  • まとまった退職金が出る人

 

公務員
公務員の人が生活防衛資金が必要がないことは同意して頂けるかと思います。
よほどの事(犯罪などを犯す)がない限り首にはなりません。病気やケガなどに対しても手厚いです。

公務員の友人が、「病気療養で休職した人が復職したが、次の病気療養で休職できるようになったらすぐに休んだ」と愚痴っていたことがあります。サラリーで投資元本を作るなら公務員は最強です。

 

共働き世帯
共働き世帯といっても、奥さんがパートでちょっと稼ぐといった世帯ではなく、2人とも正社員の世帯です。

公務員ほどではないにせよ、日本の解雇規制は強力でめったなことでは首になりません。

よって夫婦二人が共働きであれば、2人同時に解雇されることなどは、ほぼ無いと言ってよいでしょう。もちろん2人とも同じ会社に勤めている場合は除きます。

 

まとまった退職金が出る人
退職金は会社の会計上、退職給付引当金として計上されている会社の借金です。

ではだれが貸しているかというと、その会社の従業員であり、従業員の給料の一部が積み立てされていることと同じですので、退職金が、想定している生活防衛資金より多いという人は生活防衛資金は不要と考えて差し支えないでしょう。

退職金がない会社に勤めている人や、企業型確定拠出年金の人は注意が必要です。

クビにならなくても病気やケガしたらどうするんだという声もあるでしょうが、その際にもサラリーマンは傷病手当金など各種の手厚いセーフティーネットがあります。

 

 

生活防衛資金が不要となる分岐点がある

さて、これらの生活防衛資金不要な属性の人になろうとしてもすぐにはなれませんが、ある程度投資を続けていると生活防衛資金という物が不要になる分岐点があります。

私その場合は、資産総額が大体1500万を超えたあたりからで、2000万を超えると生活防衛資金をあまり意識しなくなり、3000万ぐらいからは不要と思うようになりました。

理由は簡単で、ポートフォリオ上の現金比率は一定でもその絶対額が生活防衛資金として必要額を上回るからです。

私の場合は、生活防衛資金500万円、ポートフォリオの1/3が現金となった時、つまりは資産総額が1500万円を超えたあたりでした。

もちろん、ポートフォリオの現金比率をいくらにするかによってその分岐点は変わってきます。

また、株式100%のポートフォリオを組んでいる人は永遠に生活防衛資金が不要と感じる分岐点は来ないという事になりますが、そういうリスク大好きな人にとってはやはり生活防衛資金は必要でしょう。

 

ポートフォリオ上の現金額が生活防衛資金を上回りだすと、たとえ会社をクビになっても毎月の積み立てを止めてポートフォリオの現金を取り崩している間に次の就職先を見つければいいやという気持ちになります。

 

 

実際に会社がつぶれたら

実際に会社がつぶれたり、クビになって現金を取り崩し始めたとしたらどうなるのでしょうか?

その際はポートフォリオの現金から順次取り崩すことになります。

そうした場合、ポートフォリオのバランスが変り、リスク資産比率が大きくなってポートフォリオ全体のリスクは増えるかもしれません。

しかし、資産取り崩しにより、ポートフォリオは全体は小さくなっており、損益の絶対額としての振れ幅は縮小していますので問題になることはないと思います。

また資産総額が3000万、4000万とつみあがってくると、たとえ株式100%のポートフォリオであったとしても、イザという時は積みあがった資産をリバランスしながら切り売りしてしのげばいいのです。

したがって生活防衛資金は不要というか、意識することをあまりしなくなるというのがホントの所ではないでしょうか。

生活防衛資金を意識するかしないかが投資家意識の初級から中級への分岐点かもしれません。

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