驚きのイギリスLISA
少し前に以下のエントリで積み立てNISAを普及させるには、インセンティブとしてキャッシュバックをすればいいのでは?という意見を述べさせてもらいました。
結構むちゃくちゃで実現不可能な意見を言わせてもらったつもりですが、NISAのモデルとなったイギリスでは、2017年4月からLISA(Lifetime ISA)という制度が開始されているそうです。
このLISA、非課税なのはもちろん、最大の目玉は拠出額の25%を年度末にその口座に振り込んでくれるとか。限度額は年4000ポンドらしいので、限度額まで拠出すれば年間1000ポンド、今のレートで15万円ほどが支給されるのです。
しかも18歳か50歳まで毎年です。
32年間毎年15万円が貰えるということですので、トータル480万円の投資資金を国から貰えるのと同義です。
LISAは18歳から40歳までしか加入できないため、40過ぎのおっさんである私はイギリス国民であっても無理ですが。。。(私がイギリス国民なら地団太踏んで悔しがったでしょう。)
日本でも積み立てNISAが始まりますが、日本のNISAはイギリスのISAを参考に作ったのだから、積み立てNISAとか作って、個人投資家のご意見など聞いてる場合じゃないです。
素直にイギリスのまねをしてそのままJ-LISAとか、NLISAとか作って金を配ってくれれば良かったのに。
ただし、このLISA、引き出しに制限があって、60以降の老後資金か、最初の住居用住宅取得に使用する場合しか引き出せないらしいです。住宅財形や、iDeCoみたいなもんですね。
日本も負けてられないので貯蓄から投資へを加速させる提案
さて、イギリスに出来て、日本で出来ないわけは無いと思うので、ぼくのかんがえたさいきょうの貯蓄から投資へを考えてみたいと思います。
日本の金融資産は16年末で1800兆円、これの半分以上が預貯金で運用されていることから、何とかこの金を投資に回させようと、政府は積み立てNISAとか、iDeCoとかを考えているわけです。
ただこの金融資産、ほとんどがジジババたちが持っています。
そうなると、積み立てNISAとかiDeCoとかは、小額すぎる上、運用期間が長くて老人にとっては全然魅力的ではありません。老い先短い人たちにとってはやっぱりガツンとインパクトのあるものではないと魅力的に映らないと思います。
そして、平成27年度からの相続税の非課税額の引き下げに伴い、相続税対策として不動産投資をする人が非常に増えているというニュースを聞いてピンときました。
相続税対策として不動産が売れるのは現金を不動産にすると評価額が下がって相続税額を圧縮できるからです。これを株式やファンドなどの金融商品にも広げてしまうのです。
今現在は被相続人の所有しているNISA口座は、相続の際に非課税では無くなりますが、それをすべて非課税枠とすれば、積み立て年数が多くなればかなりの額を非課税で相続させる事が出来ます。
これはかなり魅力的ではないでしょうか。
更にはもっと大胆に、資産が株式や投資信託であった場合、今のように相続税を時価で評価するのではなく、不動産でいう路線価みたいな評価方法を作って、割り引いて評価するというような税制に改めてしまえばどうでしょう。
そうすれば今はみんなこぞって土地を買っている金がそのまま株式に向かうのではないでしょうか。そしてジジババ世代だけでなく子供世代も相続税が安くなるとなれば、自分たちの親世代に何とかして株を買わせようとするはずです。
相続税対策に、マンションを買ったり、所有地にアパートを立てたすることは相続税の課税対象となるすべての層が出来るわけではありませんが、数千万を預貯金で持っているというごく一般的な、しかし相続税の課税対象となる層は結構いるはずです。
マンションやアパート経営が出来る層だけでなく、そういった普通の層が相続税対策に金融商品を買い始めれば、一気に預貯金から投資への流れが加速するのではないかと思います。
これによって相続税の税収が減るのではないかという危惧がありますが、今の税制のままでも、相続税対策のために、ニーズの無い賃貸アパートが乱立して後の空き家問題や不良債権問題を引き起こすであろう事を考えるとよっぽどマシに思えるのですが。
コメント
株式の相続税の評価見直しは毎年金融庁が要望を出しています。
通らないから、だんだん要望が切り下がってますが。
http://www.sankei.com/economy/news/160830/ecn1608300006-n1.html
やはり私が考え付くことぐらいは金融庁もやってるんですね。
不動産が認められて、株式が認められないというのは不動産業界のロビー活動の方が、証券会社のロビー活動より強いせいでしょうかね。