所得税と住民税の配当課税を異なる課税方式で申告してみた

税金

平成29年度税制改正の通達を利用する

所得税の確定申告も無事に終了し、例年であれば税の申告はここで終わるのですが、今年はリタイア後の生活を意識して所得税と住民税の配当課税を異なる方式で申告してみることにします。

これを知ったのは、さいもんさんのブログの以下のエントリーです。

http://haitoukinseikatu.com/blog-entry-1810.html

詳しい説明は元記事に丸投げするとして、要するに配当控除について以前は配当控除受けようと思って総合課税で配当を申告すると自動的に住民税も申告することとなり、国民健康保険の算出基準である住民税の課税所得が上がるため、泣く泣く配当控除受けることをあきらめざるを得なかったところが、この通達により国税である所得税は総合課税を選択して、配当控除を受け、住民税は特定口座の源泉徴収に任せて、申告不要制度を選択し、国民健康保険の算出基準である住民税の課税所得の上昇を防ぐというものです。

国民健康保険に入っていなくても必ず住民税の申告をしたほうがいい

ここでのポイントとなるのが、所得税と住民税の課税方式を別々にする主な目的が、国民健康保険に影響を与える住民税の課税所得の上昇を防ぐというものであるので、国民健康保険ではなく社会保険に入っている我々サラリーマンは住民税もそのまま総合課税を選択して配当控除を受けたほうが良いのではないかという疑問です。

この点については大和総研の以下のPDFが参考になりました。

http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/tax/20170125_011633.pdf

引用すると以下の部分です

上場株式等の配当所得につき、総合課税を適用した場合の住民税の税率は 10%となる。商品によっては配当控除を適用することができるが、配当控除による税額控除額は最大でも配当所得の 2.8%であり、配当所得を考慮後の住民税の税率は最小でも 7.2%(最大は配当控除が適用されない場合の 10%)となる。これに対して、申告不要制度または申告分離課税における住民税の税率は 5%であるため、住民税においては総合課税を選択するよりも申告不要制度(または申告分離課税)を選択した方が常に(最小で 2.2%、最大では 5%)実質的な税率が低くなる。

つまりは、総合課税で配当控除を適用した場合は最小でも7.8%、申告不要制度を選択した場合の住民税の税率は最大でも5%なので、常に申告不要制度を選択したほうが有利との結論です。

ということで必ず申告したほうが良いとの結論が出たところで、所得税と住民税の配当課税を異なる方式で申告する場合(この名前長いので何かいい略称無いものでしょうか?)のやり方です。

所得税と住民税の配当課税を異なる方式で申告する例

地方税ですので各自治体でやり方が違います。これは私の住んでいる川崎市の例です。

どうやって調べたかというと以下のキーワードで検索をかけました。この「川崎市」の部分をお住いの自治体で置き換えてもらうと概ね上位に自治体のWEBページがヒットするかと思います。

川崎市 住民税 申告 配当控除 申告不要

私が住んでいる川崎市の場合、上記キーワードで検索すると以下のページがヒットしました。

上場株式等に係る配当所得等の課税方式について

どうやら川崎市の場合は専用の書類(市民税・県民税申告書付表)が用意されているようです。
これをダウンロードして住所氏名を記載し、「市民税・県民税においては申告不要制度を選択します」のところにチェックを入れて、市民税・県民税の申告書および所得税の確定申告書の控えの写し一式を添付して市税事務所に提出知れば完了です。

ここでめんどくさかったのは、確定申告の時とほぼ同じ内容で市民税・県民税の申告書を再度作り直す必要があったことです。

確定申告を行った人は、税務署から確定申告の内容が流されて通常は市民税・県民税の申告は不要なはずなので、配当控除の部分以外はそのまま税務署から回ってきた書類を使用してくれればよいのにと思いました。

更にいうなら、確定申告の際に、上記の「市民税・県民税申告書付表」を一緒に提出し、そのまま市税事務所に流してくれてもよいのにと思いました。

(そうするとこの制度を使う人が増えて税収が減るからなのでしょうか?)

 

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