会社を辞めるには勢いが必要2~退職面談心得~

アーリリタイア

前回、入社してから今までの業務への不満がついに限界点に達し、上司へ退職したい旨を申し出ました。

会社を辞めるには勢いが必要~辞意を伝える~
2019年6月のある週末、私は激しい怒りに包まれていました。 土曜日の昼下がりの休日をエンジョイしていたところ、客から突然の呼び出し。 なんでも弊社担当の機能部分が動かないからちょっと来てみてほしいとの事。 寿司の出前じゃないんだからそう簡...

それから一週間、何の連絡もないので、もしかして握りつぶされてるのか?と不安に思う頃、社給携帯電話の呼び出し音が鳴りました。

部長:「この前のあの件・・・・退職の事なんだけどさ。」

ひそひそ話なみの小声です。

おそらく自分のデスクから電話しているので、周りに聞こえるような声で「退職」の言葉を出しにくいのでしょう。

部長:「役員面談の日程を決めたいんだけど、スケジュールの空き教えてくれない?」

私の勤務する会社では管理職以外は部長までで最終的な退職を決裁し、管理職は役員面談で決裁する決まりです。

という事でこの面談が終了すればいよいよ退職に向かって一直線というわけです。

以外にすんなり終わった役員面談

約束の時間に、部長と二人で役員用の応接室にいって役員を待ちます。

役員用応接室は高そうな調度品に豪華な革張りの応接セットがあります。普段そんなところで打ち合わせすることがないのですが、どこかで読んだビジネスマナー本で、「こういう時は応接室に飾ってある絵などを見つつ待ちましょう。決して先に着席してはいけません。」というのを思い出し、飾ってある絵を見たら、社屋の写真が額に入れて飾ってあるだけでした。見るとこ無い。。

そうやって手持ち無沙汰で待っていると、

「いやー、遅れて、すまんすまん。」と言いながら笑顔で役員が入室してきました。

「まあ、座りなさい。」といわれて、応接セットに座ります。目の前に役員と部長、それに向かい合う形で私が着席です。

前回の部長に退職の意思を告げた時は全く緊張しなかったのですが、今回は普段あまり接点のない役員。
何を言われるか想像できない事と、相手の出方次第では、徹底抗戦する覚悟で来ていますので、少し緊張していました。

役員:「今回は大変だったね。」

ところが役員の口から最初に発せられたのは、意外にもねぎらいの言葉でした。

現在の業務の問題点を掘り起こしにかかる

もっと、なんで辞めたいの?とか、辞めるなんてもったいないとか、慰留から始まるかと思って身構えていましたが、拍子抜けです。

私が退職を決心した直接の理由を部長から聞いているようで、役員は先月から私が客に受けたひどい扱いが具体的にどういう物だったか、ひとつひとつ聞いて来たのでした。

こっちはもう辞める身なので、特に遠慮することもなく、愚痴にはならないよう淡々と事実だけを答えました。

一通り話を聞いた後、役員は、

「話は大体わかった。それはちょっと顧客の体制に問題があるな。うちもそこまで客に付き合うつもりもないし、必要もない。」

(部長の方を向いて)「おまえも、もうちょっと部下の業務内容を把握して問題が無いか気を付けてろよ。必要だったら俺も客先に行くよ。」

と、部長の方をダメ出し。

私は、今の業務に関しては、特に細かい報告を部長にあげていたわけではないので、これで部下の業務を把握しろと言われても無理があるよなと思って、ちょっぴり部長に同情しました。

特に慰留は無し

ここまでで大体20分ぐらい。そしてその後、

役員:「ところで、パンダック君、奥さんは働いてるの?」

私:「はい、○○に勤めてます。」

役員:「そっか、なら特に今すぐ生活に困ることはないね。まあ、慎重な君の事なんで、今後の事は特に考えていないなんて言ってるけど、実はちゃんと考えていて、考え落ちは無いんでしょ。で、退職希望日は9月?」

私:「いえ、10月です。」

役員:「そっか、わかった。じゃあ10月で。」

私:「あの、部長からお伝え頂いているかと思いますが有給を消化させていただきたいと思っていまして。。」

役員:「いいよ。じゃあ、部長、そういう事なんで業務調整よろしく。」

有給消化もあっさり認められました。

役員:「ほかに何かある?」

私:「いえ、ございません。」

役員:「じゃあ、これで面談を終わります。お疲れ様。」

私:「ありがとうございました。」

なんと、特に慰留も恫喝もされることもなく、退職の件、あっさりと承認されてしまいました。

そして面談の内容は主に現在の業務状況だった事を考えるに、社員が辞めたいといってるんだから、何かしらのその業務か会社に問題があるはずで、それを突き止めて対策するのが主な面談目的だったのではと推察しました。

こうもあっさり承認されると、実は私は会社にとっていらない子なのでは・・・などと考えちょっぴり寂しい気持ちに・・・などと思うわけはなく――――

面談が終わり、席から立って、応接室の扉を開け、扉のノブを持ちながら頭を下げて、役員、部長の順で応接室から出ていくまでが待っていたのですが、その間、心の中でガッツポーズです。

こうして無事に役員面談が終了し、現業務は8月末まで終了、8月じゅうに夏休み3日と、前年度の残り有給2日消化、9月いっぱいは今年度の有給消化、その後10月に新たに付与された翌年度の有給を20日消化して、退職日は10月末日と決定です。

あまりにすんなり決まったので拍子抜けです。

ブログ的には、役員、部長の無茶な慰留、恫喝をわたくしパンダックが理路整然と反論し、ついに目的の退職日と有給休暇消化を勝ち取るストーリーがおいしかったのですが、そうはなりませんでした。

前回と同じくしっかり録音していたのですが、必要ありませんでした。

せっかくなので、いずれ誰かの役に立つことを願って、面談までに何度も心の中で準備していた想定問答を記載しておきます。

退職面談想定問答集

 

君が抜けた後の担当の仕事はどうするの?

仕事が回らないんだけど。

1人が抜けたぐらいで仕事が回らないというのは、組織としておかしいと思っています。

また、私が抜けた後どうするのかは、私より上の役職者の仕事だと考えていますので、申し訳ございませんがそちらで考えていただけないでしょうか?

 

今辞めたら、お客さんに迷惑がかかるよ。辞めるのは君の都合なんだから、自分でお客さんに説明して了承を得てよ。

そうしたら退職を認めてあげるからさ。

従業員は法的には2週間前に辞表を提出すれば自由に辞められます。したがって会社の承認を取る必要はない認識です。

先ほど申し上げた通り、私がいなくなってからのマネジメントは会社側の責任ですのでよろしくお願いします。

とはいえ、今から辞表を出してすぐに辞めては、私も有給が消化できませんので出来るだけご相談には応じるつもりです。

 

今からだと引継ぎ期間が短すぎる。もう少し待ってくれないか?

単に私に考えされる時間を与えるための引き延ばしなら、その必要はございません。

そうではなく本当に業務上必要あれば応じますが、伸びた期間は引継ぎ以外の通常業務はお受けできません。引継ぎ期間が足りないという事ですのでそれで十分ですよね?

 

辞めるのをちょっと待って、他の業務や部署で環境を変えてやってることはできないか?

私の能力に限界を感じていますので、他の業務、部署に変わったとしても同じだと思います。申し訳ありません。

 

有給を全部消化するのはまだしも、次年度の有給付与を見越してそれも消化するなんて応じられない。今年度の有給消化後すぐに辞めてほしい。

退職時期は、従業員が自由に決めることが出来ますし、年次有給休暇は、前年度の勤務実績に応じて翌年度に一括付与されるもので、いつ消化するのも従業員の自由です。
時季変更権が会社には認められていますが、私の場合は(従業員が自由に決められる)退職希望日が有給付与の1ヵ月後となりますので、変更しようがなく時季変更権は使えません。会社としては認めるしかありませんよ。

また、今年度の有給消化後にすぐに辞めてほしいという事は、会社が退職日を指定しているという事ですので、会社都合の解雇に当たります。私の場合、就業規則上の解雇要件に当たるものがありませんので、懲戒解雇、整理解雇、普通解雇のどれにもあたりませんので、解雇はできません。
ただし、失業給付がすぐに受けとれること、給付期間が長くなる事のメリットが私にもありますので、解雇通知書を出してもらえるなら応じても良いです。もちろんその場合は退職届は出しません

以上、ああ言われたら、こう言おうの想定問答集でした。

私の場合は使うことはありませんでしたが、こういう想定問答を用意しておくだけでも、ある程度安心して面談に臨むことが出来ますので、ご参考にしていただければと思います。

残すは顧客との業務調整

さて、社内の調整はこれで完了です。

あとは、自分の担当業務の引継ぎと、顧客への調整が残っています。

以下に続きます。

会社を辞めるには勢いが必要3~周りへの説明~
前回の更新から1ヵ月以上、間が空いていてしまいました。 前回までで、上司面談、役員面談は終了し、退職決定となりました。 後は各顧客への説明を残すのみでしたが、これがお盆休みを挟んで遅れに遅れ、今日ようやくすべて終了したので、晴れてこのエント...

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