NISA出口戦略
2014年に始まったNISAですが、始まった当初の投資枠は100万円、2年後の2016年からは120万円にアップされ、新たにジュニアNISAも追加されました。
そして今年からは積み立てNISAも開始されています。
NISAの運用期間は5年、つまり初年度のNISAは2018年末には運用期間が終了します。
したがって、2014年のNISA開始直後から運用している人は今年の年末には、この初期のNISAの投資枠をどうするか決める必要があります。
その時になっていろいろ慌てないように今から場合分けをして検討しておきたいと思います。
NISA終了時の選択肢
現行NISA終了時の選択肢は以下の3つ
- そのまま売却
- 課税口座に移行
- 2019年度の現行NISA枠にロールオーバー
この3パターンをそれぞれ含み益が出ている状態と、含み損が出ている状態で考えていきます。
1.そのまま売却
一番シンプルな方法です。
■含み益が出ている場合
売却時に含み益が出ていれば、売却益に関しては税金がかからず、利益確定です。
投資はキャッシュにするまでは勝ち負けが決まりませんので、この時点でNISA投資は勝ちで決まりです。
ただし、今後も投資を続けていくなら、現金化した資金をどうするか決めておく必要があります。
■含み損が出ている場合
損失が出ていた場合は、NISAのデメリットである損益通算ができず、そのまま損が確定。
ただ損をしただけで、損益通算もできないという残念な結果で終了です。
2.課税口座に移行
■含み益が出ている場合
利益が出ており、その投資対象が今後も値上がりするという見通しなら、そのまま課税口座に移行する手もあります。
その場合の有価証券の取得価格は課税口座に移行した時の価格となりますので、NISAの非課税枠は享受できます。
また、次に出てくるロールオーバーと異なり、2019年度のNISA枠は別枠として新たに投資できます。
■含み損が出ている場合
損失が出ている場合に課税口座に移行した場合にも取得価格は課税口座に移行した時の価格となってしまいます。
これはNISAのデメリットの一つで、1の場合と同じく、一旦損失を確定させてあたらに同じ証券を買い直したけとなり、おなじく損益通算もできません。
“1.の含み損あり”と同じく損をしただけで、損益通算もできない、NISAを使ったらかえって損したというパターンです。
3. 2019年度の現行NISA枠にロールオーバー
NISAの運用期間は10年ですが投資可能期間は2013年までの10年間ですので、2018年末で終わるNISAをそのまま2019年度NISA枠に移し替えることができます。
ただし、今年から始まった積立NISAに口座を変更している場合はロールオーバー出来ません。
■含み益が出ている場合
NISAの枠は通常120万円ですが、ロールオーバーする場合は、120万円を超えた部分もそっくりそのまま新規枠に持っていくことができます。
したがって、投資対象が今後も値上がりすることが見込まれる場合はNISA枠が120万円を超えたのと同じとなりますので、2.の課税口座に移行するよりさらに節税メリットが享受できます。
ただし、当然ですが2019年度のNISA枠は使ってしまいますので、2019年度はこれ以上NISA枠で投資をすることはできません。
■含み損が出ている場合
含み損が出ている場合でロールオーバーすると、新たなNISA枠は当然120万円よりすくないですので、2019年度のNISA枠は、120万円からロールオーバーした金額をマイナスした額だけ使用可能です。
2014年度NISA枠で買った証券が、ロールオーバーするときだけ値下がりして含み損であるが、今後持ち直す見込みである場合は解約したり、課税口座に移行して損失を確定させるよりはロールオーバーしたほうがよいかもしれません。
結局どうするべきか
以上一通り整理は終わりですが、悩みの種はNISAが、含み損となっていた場合の損益通算という救済措置が無いことです。
実はNISAは、5年間という中途半端な運用期間なので、あまり長期投資向きではなく、一発勝負で10倍、100倍の狙いで株を買って一発あてたときに最大のメリットがある制度だという事がわかります。
結局今年末に含み益なのか含み損なのかで変わるのですが、昨今の相場環境を見れば、2018年末には含み損になっている可能性も捨てきれません。
また私の場合は積み立てNISAに変更しているためロールオーバーもできません。
したがって安全サイドに倒すなら、
今年中に一度でも含み損になりそうな局面があれば全額売却後、同じ証券を課税口座で買いなおす。
という作戦で行こうと思っています。
年末に持ち直して含み益になれば悔しいですが、もともと払うはずの税金だと思うことにします。
また、私はNISAでインデックスファンドを買っていますが、2014年度では信託報酬最安値だったファンドも、現状そうではなくなっているため、
課税口座で買いなおしの際には同じ指数を使っている別ファンドに乗り換えることもやるつもりです。
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