タイプ別にみるリタイア資金額の見積もり

アーリリタイア

アーリーリタイアのタイプは元本維持型と取り崩し型の2タイプ

アーリーリタイアのタイプ、といっても生活タイプではなく、調達と運用方法をタイプ別に分けると以下の元本維持型と元本取り崩し型の2タイプに大別されるのではないかと思っています。

ちなみに今回考察するのは、リタイア後はブログタイトルに則って、パッシブ投資のみすることを前提とします。(アクティブ投資、配当金生活は今回除外)

元本維持型

リタイア資金を、パッシブ投資によって形成し、リタイア後もパッシブ投資を続けます。

リタイア後は、元本部分には手を付けず、パッシブ投資から生まれる利益のみを使って生活するタイプです。

リタイア前に、現在の自分の生活費と過去の投資の運用利回りから、

 

運用利回り ≧ 生活費

 

となった段階でリタイアが可能になります。

派生タイプとして、アクティブ投資で大きくリスクを取りながらリタイア資金を貯め、リタイア後はリスクを抑えてパッシブ投資に転向するという事も可能ですが、アクティブ投資をする人は自分の腕に自信があるのか、このパターンはほとんどいないように見えます。

元本維持型のメリットは、リタイア後は元本を維持していますので、次に出てくる元本取り崩し型と異なり、想定寿命の設定は必要がないこと、いつでも元本取り崩し型に移行できることの2点です。

■メリット

  • 寿命の想定が必要ないこと
  • いつでも元本取り崩し型に移行できること

デメリットしては、パッシブ投資で元本に手を付けないとなると相応の投資額が必要なことで、リタイア時期もそれなりに遅くなり、人によってはアーリーリタイアが不可能なことです。

もちろん、投資元本は生活費を切り詰めることで小さくできます。

 

また、パッシブ投資といえども、株価暴落などにより利回りが想定を下回ることもあるわけで、その時に極限まで生活費を切り詰めていると、一時的に元本取り崩し型に移行せざるを得なくなります。

■デメリット

  • 纏まった額の投資元本が必要

元本取り崩し型

リタイア資金を、パッシブ投資によって形成し、リタイア後もパッシブ投資を続けるところまでは元本維持型と同じです。

ただし、元本を蓄えた後は、資産を取り崩しつつリタイア生活を送ることを想定します。

 

したがってリタイア前には、現役時代の生活コストと、自分の資産、そして寿命をシミュレーションして、死ぬときに資産総額がゼロになるような総資産額を計算する必要があります。

資産運用は、元本を作ったパッシブ投資を継続です。

 

パッシブ投資は想定利回りの設定しやすい事も、取り崩しシミュレーションには好都合です。

もちろん元本を作るのに、アクティブ投資を採用してもいいのですが、アクティブ投資でリタイア資金を貯めることができる能力のある人は、リタイア後もアクティブ投資を続けるでしょうし、それは単に、本業が投資家となっただけだと思いますので、リタイアタイプからは外します。

 

アクティブ投資でリタイア資金を築いて、リタイア後はパッシブ投資で資産を取り崩して生活というタイプも考えられるのですが、もともとリスク選好の投資家がアクティブ投資でリタイア資金をためて、ためた後パッシブ投資に切り替えてそれを取り崩して生活というのも想像が難しいので、これも外します。

 

「元本取り崩し型、パッシブ投資」は以下のメリット、デメリットがあると思っています。

■メリット

  • 資金を取り崩すので、リタイア資金が比較的少額で済む
  • 必要資金が少額なので早い段階からのリタイアが可能

■デメリット

  • 資金が減ることが前提なので、寿命設定によっては計画がぶれる
  • 資金減のプレッシャーに耐える必要がある

特にデメリットの資金減のプレッシャーは、現役時代は口座残高が増えることが前提だったのに対して、リタイア後はどんどん減っていくわけですからこれは大きいです。

 

落語の死神に出てきた寿命のロウソクよろしく、この金がなくなったら死ぬのかと思いながら生活するのは、なかなかプレッシャーだと想像します。

 

どちらがいいかと問われたら

どちらが良いのかと問われた当然元本維持型に決まっています

しかし元本維持型の最大のデメリットはやはり、その資金の調達方法でしょう。

パッシブ投資は元本の大きさがものを言いますので、資金をためる段階でも、リタイア後でもなかなかハードルが高いリタイア方法です。

しかし、資金が減る恐怖もなかなかに堪えがたい。

そんな私が今考えているリタイア方法が、『元本維持年金併用型』です。

 

現在の年金制度が持続可能な事はだれの目にも明らかですが、少なくとも今の30代、40代世代の年金支給額がいきなりゼロになることは考えづらい事は同意して頂けると思います。

そして、年金はある程度出るという前提で、年金が出るまでは元本取り崩し型で生活し、年金支給後は元本維持型に移行するというものです。

 

例えば、生活費年間300万円、利回り税引き後年率3%を想定した場合、元本維持型はリタイア資金は1億円必要となります。

しかし、年金が71歳から年120万円支給されると仮定すれば、46歳時点で8100万円あればリタイア可能です。

この場合、71歳時点で手持ちの資金は6002万円。

後は年間120万円の年金と、6000万円×3%=180万円の計300万円でこれが死ぬまで継続します。

元本部分があるので、介護状態なったりした場合でも対応可能です。

 

もちろんざっくりした計算ですが、とりあえず年金支給まで乗り切れば後は資産が減らないという想定ができれば、リタイア後に資産が減っていく恐怖とも戦える気がします。

コメント

  1. 私も元本維持年金併用型で考えています。71歳支給・年金定期便の3割減で大丈夫かなと。ほんとは年金なんて当てにしないで大丈夫っていうぐらいになればいいんですけどね。

    • 71歳支給、3割減ならかなりの安全水域ですね。
      うちの場合はそれに加えて、夫婦2人ともそれぞれが年金支給対象なので、片側が思いのほか早く死んだら、
      そこから年金支給が半分程度に落ち込むというリスクもあります。
      生活費は1人になってもそれほど減りませんし。
      こればかりはどうなるかわかりません。