会社にとっての効率が自分にとっての効率ではない
私は、役職的には管理職という立場なので、残業しても割増給が出ません。
毎月の給料は、基本給+役職手当ですので、いくら残業しようが月に貰える額は一定額です。
こうなった場合もっとも効率的な働き方な何かというと、出来るだけ働かない事です。
働かないと言うと誤解を生みそうですが、積極的にさぼろうと言っているわけではありません。
管理職と言う職種の一番の役割は、日々のルーチンワークには無く、イリーガルな事が発生した場合の処理、すなわちトラブル対応や、クレーム対応です。
したがってこれらが発生しなければ、日々の事務処理、社内調整などは大した仕事ではなく、基本ヒマになります。
したがって、なるべくトラブル、クレームを発生させない事がもっとも効率的に働けるという事になります。
ではトラブルの起きやすい状況とはどういう事かというと、良く言われるのがミスの起きやすい、以下の3つのHに気をつける事です。
- 初めて(はじめて) – 初めてやる作業
- 久しぶり (ひさしぶり) – 久しぶりに行う作業
- 変更 (へんこう)- 手順や方法が変更された作業
これらの状況に気をつけるのはもちろんの事、究極的になくしてしまえば、トラブル、クレームはぐんと減ります。
ではどうするか?
客と癒着する
癒着というと聞こえはあまりよくないですが、同じお客さんとずっと付き合うという事です。私のいる業界はIT業界なのですが、この業界は1つのシステムの開発が終われば次のシステム開発と、お客さんを渡り歩きますので、毎回初めてのオンパレードです。
そして毎回トラブル続出で残業続きという羽目に陥ります。
これを避けるためには「始めて」をなくしてしまえばよいわけで、たとえ利益率が低そうでも、長く付き合えるお客さんを大事にします。
これは会社経営の目線とは異なります。
会社経営者の視点から言うと、大きく利益の見込める客、さらに業務が広がって売り上げが伸びる客を狙って仕事取って来いという事になるのでしょうが、私は大きく利益の見込めるお客さんではなく、利益はあまり見込めなくとも、なるべく細く長く、仕事をくれる客を狙っていきます。
そしてそういう客にはなるべく便宜を図って中に入りこみ、客側の仕事であっても、積極的に肩代わりして、私のチーム以外はそのシステムの中身がよくわからんという状態に持っていければ最高です。
そのシステムが入れ替わらない限り仕事を貰えますし、また入れ替わる事になっても新たな発注をくれます。
こうなってしまえば、客とベタベタの関係が出来ますから、クレームはありません。また、トラブルも良く知ったシステムですのでほとんど無くなるわけです。
問題は業務がスムーズに流れると、楽してる事が私の上司にばれますので、遊ばせておくのはもったいないとばかりに、きつい業務にまわされるリスクがあるわけですが、これは、客が防波堤になってくれます。
なにしろ客自身システムがわかってない状態になってしまってるので、私に移動されては困るわけです。
私の上司が利益率があまり良くないから他の案件(そしてそれは利益率はいいが体には厳しい業務)に私を移動させようとしても、客からのクレームという形で私の移動に反対してくれます。
部下と癒着する
業務を滞りなく遂行するには優秀な部下は欠かせません。
けれども優秀な部下ほどひと癖ある連中が多いのも事実です。
そういう人材は管理がしにくい事から、けっこう煙たがられるものですが、管理をしようとするからめんどくさいわけで、私はむしろ積極的に受け入れ、結果さえ出していれば多少の遅刻、早退、さぼりなどは見逃しています。
こうすることで部下とはある種の共犯関係となり、信頼関係が築けて業務遂行もスムーズにいきます。
優秀な人材は自由にさせた方が効率は上がりますし、トラブルも起こしません。
ただし出来ない奴はある程度で見限って人材育成など考えずにどんどん追い出します。
どんな人材でも粘り強く育成するのが管理職や先輩の役目だなどと思ってはいけません。
的資源は有限なわけですから、見込みのない投資をしているような余裕は無く、人材もある程度で損切りすべきです。(もちろん自分が損切りされるリスクもあるわけですがそのための癒着でもあるわけです)
リタイアメントを意識せず、会社の方針に従ってがむしゃらにやっていた頃はうまく業務が回らず、それが原因でリタイアしたいと思ったわけですが、リタイアを意識して効率的に働こうと考え始めると、思議なもので仕事自体楽になり始めました。
ただ基本的に業務は拡張しない、人材は育成しないという会社にとっては寄生虫管理職になっていますので、効率よくリタイア資金を貯めた後は、後進に席を譲るのがいいかと思います。20数年会社に御奉仕してきたので最後の数年ぐらいは楽させてもらうつもりです。
コメント
考え方がとても似ています。
特に何度言っても仕事を覚えない社員はそれなりの仕事でミスをしないでいてくれた方が助かります。