前回↓の続きです

前回の内容を軽くおさらいすると
・それはインデックスファンドを買ってできるだけ長く持つことである
・お金ができるたびに追加でインデックスファンドを買う
株式会社は何のためにあるか
私のページを訪れるひとの多くは、会社を辞めるというキーワードで検索して訪問してくださっているので、多くの人が会社に勤めているのではないかと想像します。
おそらくその会社は株式会社という形態をとっているのではないでしょうか?
ではその株式会社は何のために存在するのでしょうか?
みなさんの生活を支えるためでしょうか?
社会貢献のためでしょうか?
会社の創業目的や、社是にはそのような美辞麗句が並べてあるかもしれませんが、真の目的はそうではありません。
株式会社の存在目的はただ一点、「与えられた資産を使って利益を生み出す」です。
これが唯一の株式会社の存在理由なというなら、なぜ社長や上司が日々「利益!、利益!」と繰り返し、社員にノルマ達成を迫るのかが分かろうというものです。
もちろん社員の生活を守ったり、自社の製品やサービスを用いて社会貢献をするということもあるでしょうが、それは株式会社の目的ではなく、利益を上げるという目的を達成しようとした際に副次的に生まれたものにすぎません。
株式会社の「株」とはなにか?
ここで株式会社の「株」とは何かを考えてみたいと思います。
会社を運営するためには、人を雇ったり、原料を買ったりするための運転資金が必要です。
あなたが会社を始めようとした場合、その運転資金は銀行から借りても良いし、少額であれば親兄弟や、親せきに借りることだってできます。
しかし、借金は借りたら返す必要がありますし、利子だって払う必要があります。
そんな時返す必要のないお金を運転資金できるとしたらどうでしょう。
誰かがポンと出してくれて、「これで会社の運転資金にしなよ。返さなくていいからさ。」と言ってくれるお金。
これが株式会社の資本金というものです。
ではこの資本金、ほんとに返さなくて良いお金なのでしょうか?
この資本金、返す必要がない代わりに、「会社が上げた利益は資本金を出した人がもらう」ということが決まっています。
世の中にそんなにうまい話はないということです。
資本金を1/3出した人は会社が上げた利益の1/3、資本金を半分出した人は会社の利益の半分をもらう権利があるのです。
この資本金を出したという証明として出した額に応じてもらえる証書が株券なのです。
そしてその株券の持ち主が、返す必要のないお金として、運転資金を出してくれた人、すなわち株主です。
株式会社は誰のものか
株券には会社の利益を全部もらう権利の他にもう一つ重要な権利があります。
それが、会社の経営に口を出す権利、すなわち議決権です。
株主はその所有する株券の1株を1票として会社の経営に口を出す権利があります。
もしこの議決権がなければ会社の経営はその会社の経営陣に任せるしかないのですから、これは重要な権利です。
この議決権があるからこそ、株主はその会社の社長や、経営陣に「しっかり利益を上げないとクビにするぞ」といえるわけです。
まとめると、
出した資本金に応じて出資者は株券を発行してもらい株主となる
株主は株券の量に比例して会社の利益を分配してもらう権利がある
株主は株券の寮に比例して会社の経営に口を出す権利がある
まとめると、会社が誰のものかよくわかります。
会社の所有権は、社長でも、その会社の社員でもなく、株主にあります。
株券とは、会社の所有権を株券の形にして分割して売っている物なのです。
これで株式会社が、利益を上げ続ける必要があるということがよくわかります。
会社設立時に利益の分配を求めて、お金を出している人、すなわち株主が、会社の経営権を持っているわけですから、社長や、役員はクビになりたくなければ、利益を上げ続けるしかないわけです。
また、社長や経営陣が大株主という会社もよくあります。こういう会社に至っては会社が儲かれば儲かるほど自分たちもハッピーになるわけですから、余計に利益を追求することになります。
株式会社は成長する
会社の設立時に資本金を出して株券をもらったのが株主であるといいました。
では発行された株券を全部合わせた価値は資本金の額とイコールになるのでしょうか?
これも、会社設立時には答えはイエスとなるのですが、会社が成長するにしたがって答えは変わってきます。
ちょっと例え話を出してみたいと思います。
ある会社が100万円の資本金で会社を設立し、1株1万円相当の株を100株発行したとします。
初年度に会社は10万円の利益を上げて1株あたり1000円の利益を分配しました。
Aさんはこの会社に1万円出資して1株の株主となり1000円受け取りました。
さて、会社は2年目はもっと成長し、20万円の利益を上げて1株当たり2000円の利益を分配しました。
Aさんの受取額は2000円です。
3年目はさらに会社は成長する見込みです。
これを知ったBさんはAさんに「その株を売ってほしい」と持ち掛けます。
さて、Aさんはいくらならその株を売るでしょうか?
会社設立時に出資した1万円でしょうか?
いやいや、どう考えてもその株券には1万円以上の価値はありそうです。
簡単に言うと、A社の株券の価値はA社がこれから先に生み出す利益の総和に等しいのです。
このA社の株の価値の計算方法はここでは取り上げませんが、Aさんはおそらく1万円以上の値段で株券を売るでしょうし、Bさんも1万円以上の値段で買うでしょう。
これが株価が上がる仕組みです。
そして株価が上がるように株主は会社の経営者に要求を続けるでしょうし、会社の経営者もそれに必死にこたえようとします。
したがって株式会社は自ら成長し続けようとするしかない構造となっています。
どの会社の株を買えばよいか?
株式会社がどのような仕組みで成り立ち、株式会社の構造として利益を生み続ける必要があり、その結果株式の価値は高まっていくということが分かりました。
では実際には、どの会社の株でも買えば儲かるのでしょうか?
これは違うということは、株で大損したという話があちこちに転がっていることからもわかると思います。
確かに株式会社は利益を生み続けることをその存在目的とし、経営者も頑張りますが、頑張っただけでうまくいくほど甘くありません。
したがって株の中には、どんどん値段がさがり、最後には会社が倒産して株の価値がゼロになってしまうという困った株もあります。
その反対に、会社が思っている以上に業績が伸びて、株価があっという間に2倍3倍どころが10倍、100倍になる会社もあり、株を買う人はどの株がそうなるのか、毎日必死になって探しています。
しかしそのような株はなかなか見つかるものではありません。
じゃあ、どうすりゃいいの?という事になります。
どの会社の株が良いかわからないので全部買う
この問いに一つの答えを出すのがインデックス投資ということになります。
まずインデックス投資では、個別の株価の予想は難しい、もしくは出来ないという前提に立ちます。
(この前提が受け入れられない人は好きな株を買えば良い言うことになりますので、インデックス投資には向きません。)
では個別の株価の予想が難しいならどうするか?
ここで思い出してもらいたいのが、株式会社は利益を生み続けることが前提で存続しているということです。
そしてどの会社も自社の株価を上げることに全力を傾けています。
そうすると自ずから導き出される答えは、
「買える株を全部買っちゃえばいいじゃん」
ということになります。
中には倒産してしまう会社の株も交じってるかもしれませんが、ほとんどの会社は利益を生み出して株価をを上げる事に必死なのだから、倒産して株価がゼロになってしまう会社の株が混じっていても全体としては株価は上がるんでしょ。と考えるわけです。
全部の会社の株を買う方法
全部買えばいいって言ったって、一つの会社の株を買うのにも結構なお金がいるのに、そんなお金どこにもないじゃん。とおっしゃるかもしれません。
心配ありません。
今の世の中、欲しいと思うものは大抵どこかの誰かが用意してすでに売り出しています。
それが各証券会社が用意しているインデックスファンドなのです。
次回、インデックスファンドの開設に行きたいのですが、もう少しなぜインデックスファンドを買っていれば大丈夫なのかの解説を続けたいと思います。
いずれもインデックス投資を語るうえでの名著です。
また今は絶版ですが、以下もおすすめです。私が18年前にインデックス投資を知った本です。
古本で1円で買えるのでこれから買って損はありません。