働かないフランス人
もうかれこれ、ウン十年前の事、私は今の嫁さんと結婚して新婚旅行先にはフランスを選びました。
某アタック21の番組の優勝賞品よろしく典型的な新婚旅行コースなわけです。
一つ違っていたのは、嫁さんが結構旅慣れてることと、2人とも集団行動が大の苦手という事で、旅行会社を通さず、すべて自分たちで手配していった事です。
だから旅先での移動やホテルでの手続き、食事などはすべて自分たちでやる必要がありました。
そこで度肝を抜かれたのが、とにかくフランス人が働かないことです。
働かない例その1
まず、フランス国鉄(SNCF)でのTGVの予約窓口。
長蛇の列です。
長蛇の列にもかかわらず、先頭の窓口のおっさんと、客のおばちゃん、明らかに雑談してます。
シャレオツなフランス語は全く分かりませんが、何となく雑談してる雰囲気はわかります。
当然列は全く進みません。
当然こっちは「はよせんかい!!」ってな感じでイライラします。
で、ようやく自分らの順番になって、パリからマルセイユを経由してニースに行くチケットが欲しいと伝えます。
そうすると、明らかに乗り継ぎで2,3時間かかるチケットを出してくるのです。
こっちは時刻表で調べて、きっちり乗り継げるダイヤがあるのを知っているので、時刻表突き付けて「こっちのダイヤならきっちり乗り継げるからこっちにせんかい!!」と身振り手振りで伝えると、
「トレビアーン!」
とか言います。
おいおいしっかりしてくれよ。お前プロやろが。となります。
働かない例その2
ようやく、チケットを手に入れTGVに乗ろうとしたら、列車が来ません。
はい。
フランス名物ストです。
乗客に影響が出ないようにストを回避するJRと違って、フランスのストはガチです。
ストを打つとなれば、びた一文動きません。
エールフランスもよくストで動かなくなります。
路線バスも動きません。
バス停で小一時間まってたら、親切なおっさんが「今日はストだからバスは来ないよ」と教えてくれました。(フランス語わかりませんが)
働かない例その3
フランスの商店、すべて夕方に閉まります。
そして日曜は休みです。
デパート、百貨店ですら、日曜は閉まります。
日本から旅行に行くなら、帰国が日曜日って人も多いでしょうから、最後にお土産を買おうと思ってる人は気を付けてください。
全部閉まってます。
さすがに空港の免税店は開いてますが。
そして、店や、公共機関の窓口もきっちり5時で閉まります。
私は妻と日本へのお土産がかさんだので、国際便で送ろうと郵便局の窓口で、長蛇の列に並んでました。
窓口は5時にしまりますが、例によって列は遅々として進まず、だんだん5時が近付いてきました。
そして、あと2,3人で自分の番ってところで5時に。
「はい、今日は終わり」
って窓口のにーちゃんが並んでる人を追い払います。
えーーーーーーーー!! ありえんやろ!!
しゃべってる暇あったら、今列に並んでる人はさばかんかい!!
しかし無情にも追い返されたのでした。。
嫁さんの感想
これらの仕打ちを受けて、嫁さんの感想は
「フランスは絶対、衰退する!! もっと働け!!」
でした。
それから十数年
それから十数年時がたち。。。
どうでしょうか。
なんか、フランス、衰退してないですよね。
むしろ、出生率も2に近づいて元気になってるような。
むしろ、あくせく働く日本のほうが衰退しています。
フランスと日本何が違うか
わたしがフランスで感じたのは、みんな働かないことに対して寛容なんです。
駅の窓口が混んでいても、列に並んでいる人はおとなしく待ってますし、ストがあれば、「動かないんだから仕方ない」という感じです。
バスが止まってると教えてくれたおっさんも、「困ったなぁ」という感じはありましたが、深刻さとか、必死さはありませんでした。
おそらく会社に、「ストで電車が動かない」って伝えたら、「じゃ、しょうがないね」って答えじゃないでしょうか。
日曜は商店が休みですが、みんなカップルで通りに出てきて、閉まってる店のショーウインドウをながめたりして散歩を楽しんでます。
郵便局で窓口が自分の前で閉まっても、両手のひらを上にあげて肩をすくめるジェスチャーをしておとなしくみんな帰っていきました。
これでも社会が回る。
というか、むしろそのほうが発展する。
働き方改革より、他人が働かないことに対して寛容な社会のほうが幸せだと思います。
日本もこれを目指すべきです。
全員セミリタイア的な緩い働き方をすればいいんです。
そんなので社会が成り立つのかと思うかもしれませんが、警察、救急、消防以外、きっちりしてないと困ることなんてそうそうありません。
みんながそれを許せはそれはそれで問題なくなります。
とりあえず、私は宅配が時間通り来なくても、電車が遅れても、部下が遅刻しても、怒らないように心がけたいです。
コメント
びっくりですよね。フランス人は仕事や交渉相手にするには最悪ですよね、友人としては普通に気を使ってくれて何の不都合もないんですけどね。
仕事で初めて出張したのがパリでいきなり到着翌日からストでした。バスもメトロも動かずフロントに相談したら「俺の自転車かしてやろうか?」と言うので、「ありがとう。お前の仕事終わりまでには戻れないと思うけどな。」と答えたら「やっぱり嫌だ!」と交渉決裂して数キロ歩いていったり、帰りの朝にホテルのラウンジで朝食を食べていたら「今日は空港しまってるかもしれないぞ?」と呆れ気味に笑ながら新聞を見せながら米国人が説明してくれたのは今となっては良い思い出です(笑)
確かに私の友達でも仕事でフランスに行った人からはフランス良かったと聞いた事が一度もありません。
皆口を揃えて最悪だったといいます。
日本人の仕事感覚から言うととんでもないフランスですが、日本もそれが常識になれば、苦にならないんだと思うんですよ。
旅行で行ったフランスはそんな事があっても良い所で、うちの嫁さんも文句を言いながらもう10回以上はフランスに。出かけてます。